続き・・・男性では、腰椎のt-scoreを予測する因子として走行距離(-)・トレーニング期間(-)が、股関節のt-scoreを予測する因子としてトレーニング期間(-)が検出された。
<まとめ> 本研究より、男性ランナーにおいても女性ランナーと同様に、腰椎の骨量低下という問題に直面していることが明らかになった。さらなる検証が必要だが、定期的に筋力トレーニングを加えていくことが骨量低下の予防対策につながるかもしれない。
≪コメント≫ これまで骨密度の低下の原因として、女性ホルモンの影響が数多く報告されてきたが、本論文では性差だけでなく、現場で容易に利用可能な指標を用いてのメカニカルストレスの量に注目していること点で興味深いものであった。骨粗鬆症予防の観点から、若年期に骨密度のピーク値を高めること・壮年期に骨密度低下を滞らせることが考えられている。 |
骨密度のピーク値を高める手段として、若年者の抗重力位での運動(ランニングなど)が推奨されている。これは、海綿骨の多い長管骨(脛骨や大腿骨)では有効性が証明されているが、皮質骨の多い腰椎などでは効果を得難い。高齢者で骨粗鬆症由来の骨折で最も多い部位の一つに腰椎が挙げられており、腰椎の骨密度のピーク値を若年期から高めることが求められる。一方、骨密度を高めるために推奨されている抗重力位の運動であるにもかかわらず、ランナーで骨量が低下することも現実問題である。これは、本論文で、腰椎の骨密度と走行距離との間に負の相関があるように、overuseの影響が考えられる。現場で判断の難しいoveruseの指標として骨密度を使用できる可能性も考えられる。
(北里大学東病院リハビリテーション部 隅田祥子)
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